【ライブレポート】BLUE EARTH MUSIC FEST 2023 in MITO
昨年に引き続き水戸で開催された音楽とグルメの祭典「BLUE EARTH MUSIC FEST 2023 IN MITO supported by茨城日産グループ」2DAYSが終幕!
今年で2回目となる「BLUE EARTH MUSIC FEST 2023 IN MITO supported by茨城日産グループ」が茨城県水戸市のザ・ヒロサワ・シティ会館(音楽フェス)&会館駐車場(いばめし祭り)、小ホール、県民ギャラリーで10月21日・22日の2日間に渡り開催された。
■ライブレポート
「音楽と食のフェス」であるこのイベントは、SDGs(継続可能目標)の実践と啓蒙メッセージを発信することを目的としており、地域社会と音楽と食が持つ可能性を未来への啓発と促進するイベント。会場は日産が誇る電気自動車が多数並び、リーフ・サクラといった電気自動車からの電源をいばめし祭りの各ブースにクリーンエネルギーを供給するなど昨年以上に環境に配慮したイベントとなっている。さらに会場内で出たゴミなどは設置されたゴミ箱に分別して捨てることで、リサイクル紙で作られたトイレットペーパーと交換ができるといった地球温暖化に重点を置いたエコフレンドリーな取り組みが行われるなど、子どもから大人まで楽しみながら環境について考えることのできる工夫がなされているのも特徴となっていた。また、地元、茨城日産のブースでは子ども達が楽しみながら環境について学ぶことのできるワークショップが定期的に開催されるなど来場者を楽しませていた。
そして、昨年も好評だった食フェス「いばめし祭り」エリアでは、多彩な飲食ブースが設けられ1日目にライブを行った石井竜也率いる米米CLUBプロデュースのグルメやスウィーツ、茨城名産の栗を使ったモンブランやクレープ、まるで雪のようにふわふわで口溶けがよくシャインマスカットをトッピングしたかき氷、他にもフェスやイベントで大人気のメロンまるごとクリームソーダや五浦ハムのハム焼きなどといった店舗が並んだ。また、日本酒の宝庫として知られる茨城県ならではの「茨城地酒バー」が登場。個性豊かな35の蔵元がつくる地酒の飲み比べができるブースも出店。
更に今年は無料エリアを拡大し、県民ギャラリーでの自然生クラブと石井竜也のアート展では入場待ちの列が出来るほどの盛況ぶりを見せた。また小ホールでのお笑い芸人によるライブや、お子様連れに企画されたクラシックコンサートには、多くの親子連れが参加。楽器の説明や小さいお子様でも分かる楽曲を演奏したり、指揮者体験など芸術の秋に相応しい光景も見られた。
石井竜也
日が沈み始めた夕刻には大ホールで開催される音楽フェス1日目がスタート。
まず登場したのはチーム朱舞。息の合った踊りと会場全体を使用し観客も巻き込んだダイナミックなダンスパフォーマンスを披露。2組目は歌手・声優としても活躍する茨城県桜川市出身のアーティスト安達勇人が登場。高い歌唱力ととびきりの笑顔で歌い上げると、観客とともに会場のボルテージを上げ、続く古河市の人気者KEN EBISAWAが登場すると会場を大いに盛り上げた。1日目・2日目ともMCを務めるのは石井竜也の妹で米米CLUBのメンバーでもある石井美奈子。この日はMCだけでなくシューク・フラッシュ!のボーカルとしてパフォーマンスも披露。パーカッションのMARI、キーボード・ボーカルのフラッシュ金子の3人による男女混成ユニットはダンサブルなサウンドとMINAKOのパワフルな歌声で観客を沸かせた。
そしてこの日のトリを飾ったのは地元茨城県出身の石井竜也。今なお多くのファンを魅了する歌声と軽快なMCを披露。オープニングでは会場の雰囲気を一変させるOCEAN BLUE、FLYING HEARTといったスローバラードから始まり、訪れた観客の期待に応えるかのように米米CLUBの代表曲「君がいるだけで」「浪漫飛行」を熱唱し、観客を大いに盛り上げると、最終曲である「青に染まる窓」を披露すると石井の表現力豊かな歌声がホール全体を優しく包み込んだ。石井の退場間際では石井竜也・美奈子の兄妹トークで会場にいる観客を最後まで魅了した。
音楽フェス2日目のスタートは義手のバイオリニストの伊藤真波。「情熱大陸 / 葉加瀬太郎」「糸 / 中島みゆき」の2曲を披露。ハンデを感じさせない流れるような美しい演奏で会場を盛り上げると、茨城県古河市のちょっとしたスター(本人談)ことKEN EBISAWAが前日以上にパワフルなパフォーマンスで会場を沸かせた。
3組目には大貫亜美と吉村由美のボーカルユニットPUFFYが登場。「これが私の生きる道」「渚にまつわるエトセトラ」といった彼女たちを語る上で欠かせない大ヒット曲を皮切りに、2人のキュートでパワフルなステージパフォーマンスで会場をひとつにすると「アジアの純真」「愛のしるし」を会場とともに歌い上げた。
そして透明感のある抜群の歌唱力で観客を惹きつけたのは一青窈。代表曲「もらい泣き」「ハナミズキ」を含む全5曲を披露。和風な衣装に身を包み、時折り会場に手を振るなどのパフォーマンスと美しく伸びやかな歌声が会場全体に響き渡った。
宮沢和史、藤巻亮太
このBLUE EARTH MUSIC FEST 2023の大トリを務めたのはレミオロメンのボーカルとしてメジャー・デビューし、現在はソロで活動する藤巻亮太とTHE BOOMのボーカル宮沢和史。藤巻は代表曲「日日是好日」「粉雪」を、宮沢は代表曲「風になりたい」「島唄」を熱唱。続けて二人の才能が交差する一夜限りのデュエットでは、山梨出身という二人が学生時代に住んでいた路線をテーマにした「中央線」では、藤巻の温かく感情豊かな歌声と宮沢の情熱的で力強い歌声が見事に調和し大いに観客を魅了した。最終楽曲の「3月9日」では、観客の盛り上がりも最高潮に達し、歌い終わると会場は歓喜に包まれアコースティックなサウンドの美しさに心酔しれた。今回の藤巻亮太と宮沢和史のデュエットは、ファンならずとも会場にいる観客にとって忘れられない瞬間となり会場は2日間を通じて最高潮の盛り上げを見せ、幕を閉じた。
今年の「BLUE EARTH MUSIC FEST 2023 IN MITO supported by茨城日産グループ」は
天候にも恵まれ、秋らしい澄んだ空気とわずかに紅葉した木々が心地よい季節の中行われた音楽と食のイベント。SDGsの観点から環境やリサイクルといった地球全体の課題をコンセプトとし、子どもから大人まで参加したアーティストのパフォーマンスに歓喜し、美味しい茨城の魅力あふれるグルメを堪能しつつ大盛況のうちにイベントが終了した。
写真・文/米川朋宏